【WEBに活路!】ユーザー層とランチェスター戦略の話
2023.04.27
WEBサイトを制作する上で、ターゲットをどのように設定したら良いのか悩むことはありませんか?
WEBサイト制作のお仕事は、広い意味では広告業の一種であり、広告業界の用語も頻繁に使われますし、広告戦略のビジネス手法も色々と取り入れられています。
ターゲットユーザーを明確にするというのは、ひとつの大切な指標になりますが、マーケティングには様々な戦略や考え方があるので、その全てを網羅するのは大変です。
今回はWEBサイトの制作にも役立つユーザー層の考え方とランチェスター戦略について解説していきたいと思います。
ニーズ・関心から見るユーザー層
ニーズや関心があるか無いかを基準にユーザー層を捉える手法になります。
これは、自社の商品やサービスがあり、その商品に対する関心や認知度によって、訴求の仕方を検討する場合に利用されます。
ここで紹介している分類とは違う分類方法を紹介しているところもありますが、ここでは分類が最も分かりやすい形(4象限)で説明されている分類方法で紹介していきます。
顕在層(見込み層)
自社の商品やサービスの存在や名称を知っており、なおかつ購入を検討しているユーザー層になります。
端的に言うと、「ニーズがあり、関心もある」層になります。
このユーザー層は、自ら積極的に情報収集を行い、他社との比較検討をしているため、あと一歩背中を押してあげる対応が重要になります。
丁寧な対応、きめ細かいサポート、メリットの提供など、商品やサービス以外の部分での訴求が有効になります。
準顕在層
自社の商品やサービスの存在や名称は知らないが、その商品やサービスを必要としているユーザー層になります。
端的に言うと、「ニーズはあるが、関心は無い」層となります。
このユーザー層は、ニーズや問題点を抱えているにも関わらず、必要な情報が入手できていない状況にあります。
この層への訴求は、様々なメディアを通じてとにかく認知してもらうことが重要で、認知されしてもらえれば購入につながる可能性が高くなります。
潜在層
自社商品やサービスを知っていて関心はあるが、今のところ必要を感じていないユーザー層に当たります。
端的に言うと、「ニーズは無いが、関心はある」層です。
この層へのアプローチは、自社商品やサービスを違った角度から訴求したり、こうすればメリットがあるということを提案する必要があります。
非認知層
自社商品やサービスの存在も知らず、必要かどうかも分かっていないユーザー層がこれに当たります。
端的に言うと、「ニーズが無く、関心も無い」層となります。
ニーズが無いのではなく、情報が無いため必要かどうかも分からない状態とも言えます。
したがって、この層へのアプローチはまず自社商品やサービスを認知してもらい、必要かどうか判断してもらうところからのスタートとなります。
年齢・性別から見るユーザー層
年齢と性別で分類してみると、それぞれのユーザー層ごとに購買意欲や消費行動などに特徴が見えてくるので、それぞれのユーザー層ごとに広告戦略が変わってきます。
ここではそれぞれの層について特徴を紹介していきます。
F0層(女性13〜19歳)
このユーザー層は、T層(男女13〜19歳)に含まれるのですが、いわゆるギャルと呼ばれる世代になり、流行を発信する世代とも考えられます。
学生であるため、購買力は決して高いとは言えず、消費行動も独特なものになる傾向があります。
このユーザー層へのアプローチは、将来ロイヤルカスタマーになる可能性があるため、試供品や無料キャンペーン、メルマガなどでBtoCの接点を作ることが有効と考えられます。
F1層(女性20〜34歳)
このユーザー層は、独身も比較的多いため、可処分所得(自由に使えるお金)にも余裕があるため、購買意欲も高い傾向にあります。
また、トレンドにも敏感であり、自己投資や自分磨きに対しても高い意識を持っています。
このユーザー層へのアプローチとしては、SNS(インスタ・TikTokなど)の活用やサブスクなどが有効になります。
F2層(女性35〜49歳)
このユーザー層は、家庭の財布を握っていることが多い層と言えます。
したがって、節約傾向が強く、価格にも敏感になっています。
日用品や白物家電、ファミリー向けの商品、ママ友関連などに興味や関心が高くなっています。
このユーザー層へのアプローチとしては、「安心感」「お得感」がキーワードになります。
F3層(女性50歳以上)
このユーザー層は、一般的に子育てがひと段落する世代になるため、時間とお金に余裕ができてくる傾向にあります。
したがって、アンチエイジングや健康関連、旅行などに関心が高くなってきます。
このユーザー層へのアプローチは、既存メディア(テレビ・ラジオ・雑誌など)が有効です。
M1層(男性20〜34歳)
このユーザー層は、これから社会人として活躍していく世代であるため、自己投資・スキルアップに対して意識が高い傾向にあります。
トレンドにも敏感ですが、ビジネスやキャリア関連、最近では副業などに関心が高くなっています。
このユーザー層へのアプローチは、情報収集ツールとして利用されることが多いインターネットやSNSが有効になります。
M2層(男性35〜49歳)
このユーザー層は、M1層に比べると家庭を持っていることが多い世代です。
F2層も同じ世代になるのですが、こちらは自由に使えるお金が少ない傾向にあり、自己投資よりも趣味(ゴルフや飲み会など)や家族への投資、子どもの学習などへの意識が高くなっています。
このユーザー層へのアプローチは、趣味・ファミリー・子育てなどのコンテンツで様々なチャンネルで訴求することが有効になります。
M3層(男性50歳以上)
F3層と同様にこのユーザー層は、子育てがひと段落し経済的に余裕ができる世代になります。
消費行動や購買意欲は高まりますが、より質を求め、健康にも気をつけるようになってきます。
このユーザー層へのアプローチは、ネットに疎い層なので既存メディアからのアプローチが有効と言えます。
C層(男女4〜12歳)
このユーザー層は、幼稚園〜小学校卒業までが対象となっています。
当然ながら財布の紐は親が持っているので、直接訴求よりは親世代がターゲットとなります。
キャラクターグッズやゲーム、知育グッズなど、子ども向け商品のニーズが想定されます。
このユーザー層へのアプローチは、F2層やM2層への訴求と考えると良いかもしれません。
T層(男女13〜19歳)
F0層が女性13〜19歳を対象としていましたが、このユーザー層はF0層を含めた男女(いわゆるティーンエイジャー)になります。
トレンドに非常に敏感で、クラスメイト・友達・同じ趣味などのコミュニティを大切にしています。
趣味嗜好やトレンドにハマると爆発的に拡散されますが、合わなければ拒絶する傾向も強くなります。
このユーザー層へのアプローチは、TikTokやインスタなどSNSを活用し寄り添うことが重要ですが、ビジネス臭は嫌う傾向があるので距離感が大切になります。
ランチェスター戦略とは?
戦力の大きい「強者」と戦力の小さい「弱者」に分類し、戦局ごとに有利に進める戦略を考える方法論です。
元々は第一次世界大戦中の戦略論から生まれており、「兵力 × 武器」の大きい方が勝つという理論に基づいています。
これをビジネスに置き換えると、
兵力=人材・資金
武器=商品・品質・ブランド力
のように置き換えて考えることができます。
同じ武器(商品)を持っているなら、兵力(販売力)の大きい方が勝つということになります。
第一法則(弱者の戦略)
弱者が勝つための戦略を「第一法則」と呼んでいます。
普通に強者に挑んでも勝てる見込みは無いため、勝てる場所や方法を限定したり、工夫するという考え方が基本になります。
戦力(勝つための指標)を計るための基準となるのは以下の式によって算出されます。
戦力 = 兵力 × 武器
同じ武器を持っていれば、兵力の大きい方が勝ち、同じ兵力であれば良い武器を持っている方が勝つという考え方になります。
一騎討ち戦
たくさんの商品ラインナップを用意して戦っても強者には勝てないので、1つに絞ってその商品により付加価値をつけて、1対1の勝負に持ち込むという戦略になります。
強者は1対1の場合、小回りやスピード感が鈍くなる傾向にあるため、弱者がつけ入る隙が生まれます。
局地戦
全国展開のように販路を拡大するのではなく、地域密着型の戦略で考える戦い方になります。
戦う場所(地域)をより限定して、そこに特化した戦略を取るという考え方なので、規模の大きい強者は小回りが利かないため弱者が有利となるチャンスが生まれます。
接近戦
顧客により近づいて接するという考え方の戦略になります。
顧客へのサービスとして、より親密に、より親切に、より親身になって対応することで、強者との差別化ができます。
第二法則(強者の戦略)
強者が勝つための戦略を「第二法則」と呼んでいます。
弱者が勝つ方法の逆を突くと強者が勝てるということになるので、第一法則と相反する戦略と言えます。
戦力(勝つための指標)を計るための基準となるのは以下の式によって算出されます。
戦力 = 兵力の2乗 × 武器
第二法則では兵力の2乗で考えるため、より兵力差が物を言う戦い方になります。
弱者は基本的に強者より兵力が少ないため、必然的に強者有利の環境となってしまいます。
確率戦
一騎討ち戦とは逆の戦い方になります。
1対1の対決では小回りが利かない強者は不利となるため、商品ラインナップを増やしたり、あえて競合の多い市場を狙ったりします。
広域戦
局所戦とは逆になります。
兵力を分散されるため、弱者に一極集中をさせない戦い方です。
営業マンを各地に配置して広い地域に展開することで一点突破させない戦略を取ります。
遠隔戦
接近戦・白兵戦と対極にある戦術です。
接近戦では顧客に寄り添うことで優位に進める戦い方ですが、遠距離・遠隔戦の場合は、顧客と直に接するよりもテレビCMなどの広告を打って認知を広めていくという戦い方になります。
まとめ
マーケティングの手法には色々なものがあるため、どの手法が自分のビジネスに合っているのか見定める必要があります。
今回は、ユーザー層の分類にフォーカスしてターゲットを見定める方法と、弱者の戦い方を指南しているランチェスター戦略について紹介しました。
ニーズ・関心から見るユーザー層、年齢・性別から見るユーザー層を絡めてターゲットを決めると、より絞り込んだターゲットを狙い撃ちできるようになります。
ターゲットを絞り込むことで、ランチェスター戦略の「一騎討ち戦」や「局地戦」「接近戦」に持ち込むことが可能になってきます。
ぜひ自分のビジネス・仕事がどのようなターゲットにハマるのか考えてみてくださいね。