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HTML5とHTML Living Standardの違いについてわかりやすく解説

2022.03.14

HTML5とHTML Living Standardの違いについてわかりやすく解説

これまで、W3C(World Wide Web Consortium)によって勧告されていたHTML5は、2021年1月29日に廃止することが勧告されました。

現在は、WHATWGによってHTMLの仕様が管理されており、「WHATWG HTML」「HTML Living Standard」と呼ばれています。

HTML5の廃止が勧告されてから1年経過していますが、ここで改めて分かりやすく解説していきたいと思います。

なぜHTML5が廃止になったのか?

これまで、W3CがHTML5の仕様を策定していましたが、バージョンをきちんと区切って勧告することを重視していました。

しかし、それでは開発現場の現実に即していないという声が上がり、並行する形でWHATWGが仕様を策定していました。

元々、HTML5の仕様はWHATWGが策定しており、W3Cがそれを取り込んだ形になっていましたが、W3CとWHATWGの2つの仕様が存在することで開発現場が混乱することになります。

そこで色々と協議を重ねた結果、W3Cが策定を断念することでWHATWGの仕様で一本化することになったという流れになります。

したがって、厳密に言うとHTML5は廃止になったのではなく、「W3Cの策定したHTML5の仕様がWHATWGの仕様に統合された」というのが正確なところでしょうか。

もうHTML5は使えないの?

現行の仕様としては、前述の通り「WHATWG HTML」「HTML Living Standard」という呼び方になっていますが、仕様の中身自体はHTML5とほとんど変わらないのが現状です。

またHTML5という言葉も広く一般的になっているため、現行の仕様についてもHTML5と呼ぶことに問題はありません。

WHATWGが発表している仕様書においても、実質的にHTML5と一緒であることを明言しています。

したがって、これまでのHTML5のコーディングでも問題なく使用することができますが、随時仕様が変更される可能性があるので、今後は気をつける必要があります。

HTML Living Standardについて

これまでは、W3CがHTMLのバージョンについて勧告を行うことで、新しい機能やルールが更新されていました。(HTML5.0/5.1/5.2)

今後は、WHATWGがバージョンを設けずに「Living Standard(生活水準)」という言葉のように、常に進化し続ける形で、更新されていくというものになります。

まとめ

HTML5は、広く一般的に認知されているバージョンになっており、これまでW3Cが仕様を策定して勧告していましたが、2021年1月に廃止となり、現在はWHATWGが「HTML Living Standard」として仕様の策定を行なっています。

WHATWGの仕様書にもあるとおり、元々HTML5はWHATWGが策定したものであり、これまでのHTML5と大きく変わることはないようです。

今後は、バージョン単位で区切ることなく、随時更新されていくようなので、仕様が大きく変わることは無いかもしれませんが、常にアンテナを張っておく必要があるかもしれませんね。