コピーライト(Copyright)を理解して著作権について学ぼう!
2022.04.18
色々なWEBサイト(ホームページ)を閲覧していると、ページの一番下のところに、
Copyright ©︎ 2022 xxxxxxxxxx All rights reserved.
と表示されているものを見たことがあるかと思います。
小さく表示されていることも多いので、あまり気にしていない方ももしかしたらいるかもしれません。
WEBサイトの制作をしていると、とりあえずおまじないのように深く考えずに記述している方がいたら、ちょっと待ってください!
コピーライト(Copyright)は、著作権の保護を表している大事なパーツなので、きちんと理解しておく必要があります。
そこで今回は、著作権保護とコピーライトについてお話していきたいと思います。
目次
実はコピーライトの表記は必要ない!?
大事だと言っておきながら、いきなり必要ないと言ってしまいましたが、これはWEBサイトに記述された内容は、全て著作物として著作権法によって保護されているからです。
著作物とは…
著作権法によると第二条一項にて、
著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
著作権法「第二条 一 著作物」より
とされています。
また、著作物の例示として
(著作物の例示)
著作権法「第十条(著作物の例示)」より
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
となっています。
つまり、WEBサイト上のコンテンツは第十条の一、HTMLやCSSは第十条の九の著作物に当たると考えられます。
著作物の保護について
著作物の保護については、同じく著作権法にて、
(保護を受ける著作物)
著作権法「第六条(保護を受ける著作物)」より
第六条 著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一 日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
のように示されています。
つまり著作物は、著作権法のもとにおいて保護されているので、改めてコピーライト表記をする必要は、本来はないということになります。
著作権法は日本国内にのみ発効されていますが、WEB上に公開されている著作物は国際条約によって世界中で保護されています。
コピーライトの正しい記述とは?
本来記述の必要がないとは言え、特に日本国内のWEBサイトでは記述するのが慣例となっています。
記述しなければ、クライアントから「なぜ無いんだっ!」と言われ、ユーザーからは「著作権保護の表記が無いのは怪しい…」と思われてしまっては、デメリットしか生まれないので、記述しておくに越したことはありません。
では、どのように記述するのが正しいのでしょうか?
色々なサイトを見ていると…
- Copyright © 2022 All rights reserved.
- Copyright 2022 xxxxxx All rights reserved.
- Copyright © 2020 xxxxxx All rights reserved.
- Copyright 2018 – 2022 xxxxxx All rights reserved.
- Copyright © 2018 – 2022 xxxxxx All rights reserved.
などなど、書き方もさまざまです。
正しい書き方というのは、実は…国際条約の上では、以下の3つが記載されていれば著作権保護の対象となります。
©︎マークの表示
「©︎」のマークは、「コピーライトマーク」と言いますが、国際条約ではこのマークが表示されていれば著作権保護の対象となります。
文字コードが「UTF-8」の場合は、「コピーライト」と入力すると「©︎」と記号に変換されたものをそのまま使うことが可能ですが、他の文字コードの場合は文字化けする可能性があります。
その場合は、文字実体参照を使い©
という記述を使うと文字化けを防ぐことができます。
著作権発生年の表示
著作権が発生した年を表示する必要があります。
例えば、WEBサイトが2010年から開始した場合、「Copyright ©︎ 2010 xxxxxxxx All rights reserved.」と記述されている必要があります。
この場合、古いサイトの古い情報であると誤解されてしまう可能性があるということで、2022に書き換えてしまうサイトをよく見かけますが、本来は間違いです。
新しい情報を記載しているサイトであることをアピールするのであれば、
Copyright © 2010 – 2022 xxxxxx All rights reserved.
という感じで、発生年から当年までを表示してあげると良いでしょう。
著作権所有者名の表示
コピーライトの表示は、「Copyright ©︎ 2010 xxxxxxx All rights reserved.」という形で記述されることが多いです。
これを日本語に訳すと「2010年からxxxxxxxに全著作物の所有権があります。」という意味になります。
ここでの全著作物とは、WEBサイト上の全てのコンテンツ、文章、画像、ソースコードなどを指します。
国際条約的な正しいコピーライト表示はこうなる!
上記の3点が明示されていれば、国際条約の上では著作権保護の対象となるので、それを踏まえた書き方は以下のようになります。
© 2010 xxxxxx
これだけで良いことになりますが、なんとも味気ない感じになってしまいますね。
WEBデザイン上のバランスやクライアントのニーズ、ユーザーへのアピールなどを考慮すると結局は、
Copyright © 2010 – 2022 xxxxxx All rights reserved.
という形で収めておくと無難ではないかと思います。
実はコピーレフトというものもある!?
あまり聞き馴染みないと思いますが、コピーレフト(Copyleft)というものも存在します。
ライトに対してレフトなので、コピーライトの対義語として扱われることもありますが、厳密には著作権を放棄しているわけではないので注意が必要です。
コピーライトでは認められていませんが、コピーレフトでは以下の3点が認められています。
- 二次利用
- 再配布
- 改変
主な例としては、WordPressの日本版マスコットキャラクター【わぷー】があります。
WordPressの公式が提供しているものですが、自由に利用して良いことになっています。
わぷーのライセンシーについては下記リンクを参照してください。
まとめ
WEBサイトの下にあるコピーライトの表示には、きちんとした意味や理由があります。
国際条約の上では、「コピーライトマーク」「著作権発生年」「著作権所有者名」の3つがあれば良いですが、日本国内では通例として以下のように記述しておくのが望ましいと思います。
Copyright © 2010 – 2022 xxxxxx All rights reserved.
なんのために表示して、どういった意味があるのかなど、正しく理解しておくことが大切です。
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